安愚楽牧場の粉飾決算

安愚楽牧場による特定商品預託法違反事件で、同牧場は顧客らに公表していた決算資料では黒字を続けながら、法人税の確定申告書では「赤字」を計上し、1999年度以降の少なくとも10年間の法人税を支払っていなかったことが分かったというニュース、騙された人たちからすればひどい話ではあります。

どういう粉飾をしたのかはわかりませんが、投資家向けのパンフレットに乗せる決算書の数字を粉飾するだけであればなんのテクニックもなくできることであり、そのパンフレットだけで安愚楽牧場のビジネスを信じて投資したということであれば、残念ながら投資した人にも問題があったと思います。

ここで取り上げたのは、牧場の監査役を務めていた税理士が取材に対して答えた、「税務処理は問題ない。税務署からも何も指摘はなかった」という回答。一般の人が聞いたら誤解するじゃないか。(怒)

この税理士は監査役である以上、顧問税理士ではなかったはずです(実質的にはそうだったかもしれませんが)。そして、問われていることは、粉飾した決算数値を使って客集めをするという詐欺行為を会社が行っていたことに対し取締役の業務執行を監査するものとして責任は感じないのか、ということであって、顧問税理士として税務処理に問題があったかを問われているわけじゃない。

こういう監査役の仕事がなんであるかわかりもしないで監査役をやっているふざけた税理士がいることは、同じ税理士として非常に残念なことです。

ところで、この監査役という仕事、本来は取締役の業務執行をして、決算書が適法であることを証明するものですが、中小零細企業のおいては飾り、あるいは親族への給料支払のいい口実といったものしかなっておらず、まったく意味がありません。

公認会計士が余っているというなら、このような中小企業の監査役は公認会計士の仕事として、もっと本来の機能が発揮出るようにしたほうがいいのではないでしょうか。当然料金は安くしなければなりたちませんが、そうすればもっと公認会計士を増やす必要もでてくるし、日本の会計リテラシーもあがって、現在経済産業省が進めている中小企業の経営力強化にもつながるものと思います。

ちなみに、税理士にそれを任せろといわれても、ちょっと難しいですかね。監査はやっぱり公認会計士の専売特許ですから。

投稿者:yamamura