税務調査のポイント~役員報酬・役員退職金過大~

税務調査のおいて、よく否認指摘を受ける項目の中で、もっとも微妙で反論しづらいのが、役員報酬と役員退職金の過大部分です。

役員報酬が過大かどうかの判断は、次の4つのポイントを総合的に勘案して行われます。

① 職務内容
② 法人の収益状況
③ 他の使用人に対する支給状況
④ 類似法人との比較

税務調査では、④の「類似の会社に比べて役員報酬が高すぎる」ことを根拠に役員報酬が過大であると指摘するケースがあります。この場合、調査官が抽出した類似法人がどの会社で、その抽出基準は何なのか、納税者側には開示されないため、この論点で戦うには反論する余地がありません。

そこで、調査を受ける側としては、他の3つのポイントで理論武装し、役員報酬額が適正であることを主張する必要があります。

具体的には、
① 職責が重い、付加価値が高いからこれだけの役員報酬を払っている。
② 役員報酬をこれだけ払ってもなお、法人の所得はこれだけでている。
③ もっとも高い使用人の給与と比べて※倍なのは適正だ。
といったことを常識的、理論的に提示することになります。

役員退職金についても、次のようなことがあります。

社長退職時相応の退職金を支払ったが、当時会社の経営状況が悪かったため、当人の最終月額報酬がゼロとなっており、平均功績倍率で計算すると退職金がゼロとなるため、過大退職金だと指摘された。

役員の適正な退職金の額は、原則同業の同規模会社との比較で判断されます。具体的な判定基準としては、平均功績倍率法と1年あたり平均額法があり、上記のケースでは、1年当たり平均額法によって判断したとの主張をする必要があるでしょう。

一般的には平均功績倍率法が使われるケースが多いためそれで判断しなければいけないと考えがちですが、それが非合理的であるならばより合理的な方法を採用することは全く問題ありません。

いかがでしょうか。役員報酬、役員退職金とも、金額が非常に大きくなることが多いものですから、その処理が否認された場合、会社、個人とも大きな損失となります。

税務調査で指摘された際には上記のような対応をしていただくとして、本来はもっと早い段階で税務調査で指摘されても問題のない理論的な根拠をもった金額の設定を行っておくことが望ましいと考えます。

 

 

投稿者:yamamura