「はずれ馬券は経費になるか」明日結審...だそうです

内容はこんな感じ(Business Media 誠より)。

被告は大阪市の会社員の男性(39)で、平成21年までの3年間で計約28億7000万円分の馬券を購入。約30億1000万円の払い戻しを受け、約1億4000万円の利益を得たという。

 大阪国税局はこの払い戻し金を一時所得と判断し、的中馬券の購入費を除いた“儲け”に対する脱税額を約5億7000万円と算定。大阪国税局から告発を受けた大阪地検が所得税法違反の罪で大阪地裁に起訴した。男性は無申告加算税を含む6億円余りを追徴課税されたとみられる。

 これに対し、男性側は11月の初公判で「外れ馬券も経費。そこまで所得を得ておらず、不当だ」と反論し、無罪を主張。裁判は12月10日に結審する。

 所得税法を杓子定規に解釈すれば、「収入の発生に直接要した金額」だけが必要経費として認められる。馬券を幾らたくさん買おうと、的中した馬券の購入部分だけが経費で、外れ馬券は所得の形成に無関係とみなされるのだ。

 一方、男性側の主張は一時所得でなく、「総収入から経費を控除した金額」と規定される雑所得だというもの。競馬は確率の世界。購入馬券を100発100中で当てるなんてことはできない。必然的に多くのレースで多くの馬券を買った中から、何枚かを当てるということになる。ある程度外すことも織り込んで投資し、トータルで利益を上げるという考え方だ。これが「外れ馬券も経費」、「収入は雑所得」という主張の根拠でもある。

 

ここで、争点は一時所得か雑所得か、雑所得であるとしてもはずれ馬券が経費として認められるのか、ということになりますが、税理士のくせに別の観点でちょっと愚見を。

 

競馬をやる人の心情からすれば、競馬でもうけるなんて至難の業で、たまたま大勝ちしたからといってその前にそれ以上負けてるんだから、勝ったときだけ税金を取られるなんてやってられない、というところでしょう。

とはいえ、多くの競馬ファンにとって、外れ馬券が経費にはならないのはよく知られている事実。不満はありながらもそれを受け入れてきたのがこれまでの歴史です。まあ一般の人は大勝ちすることがあっても確定申告なんてしないでしょうが、たまに芸能人が大勝ちしてきちんと申告したって話もあります。

当然、今回の被告の方もそれはわかっていたはずです。それもあるからこそ、確定申告を何年もしなかったのかもしれません。

例えば、仲間内でのマージャンやゴルフで少額ながらもお金が賭けられることがあります。やっている人はそれが賭博にあたるとたいていは知っていますが、程度をみてやっています。でも、たとえ仲間内でも1億円も動けば警察も許してはくれないのはわかっています。

今回の被告は、社会常識で駄目だと思われていることをあえてやった。そして今回そう考えるべきだと主張している1億4000万円の所得をも申告しなかった。それを重視すれば、これまで大勝ちしたときに税金を納めて人との公平性を考えても、被告の主張を通すことは難しいのではないかと思います。

願わくは、無申告なんてことをせずちゃんと申告をした上で、堂々と自らの主張を訴えてもらいたかった。そうすれば、公権力の理不尽な圧力を打ち破る英雄になれたかもしれません。

でも、この裁判の意義は結果としては大きいものになりました。今後、今回のケースに類することが起こらないよう、社会常識に基づく法整備がなされるはずです。そういう意味では、大した人だと感心しつつ、明日の判決を待っています。

税理士なのに、税務の見解がなくてすいません:kaoemoji2:

 

 

投稿者:yamamura